「コーヒー豆を使っていないコーヒーが出たらしいけれど、本当にコーヒーの味がするの?」
気候変動による「コーヒーの2050年問題」が現実味を帯びる中登場した、コーヒー豆不使用の清涼飲料水「ジョージア カフェウォーター ブラック」。
本記事では、コーヒーインストラクターの筆者が、定番の「ジョージア ブラック」と実際に飲み比べてその味を徹底比較しました。
また原材料や価格といったスペックの違いなども、詳しく比較しました。
「そもそもコーヒーと呼べるのか?」という率直な疑問を忖度なしでレビューします。
購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
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【この記事の執筆・監修者】

全日本コーヒー商工組合連合会
コーヒーインストラクター2級
日本安全食料料理協会 コーヒーソムリエ
koyo(こーよー)
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ジョージア「カフェウォーター ブラック」とは?

「コーヒー豆を一切使わずに作ったコーヒー風味の飲料」という、これまでにない挑戦的なスペックで登場した「ジョージア カフェウォーター ブラック」。
味のレビューに入る前に、まずは「なぜ豆を使わないのか?」「これまでのコーヒーと何が違うのか?」という基本情報やスペックの特徴を整理しておきます。
なぜ誕生した?背景にあるのは「コーヒーの2050年問題」

そもそもなぜ、あえてコーヒー豆を使わない製品を開発したのか?について触れておきます。
その背景には、近年のコーヒー業界全体を揺るがす構造的な課題があります。
1. 気候変動と「コーヒーの2050年問題」
地球温暖化や異常気象の影響により、2050年までにアラビカ種を中心としたコーヒー豆の栽培適地が最大50%減少すると予測されています。すでに世界的な需要拡大と気候変動による不作が重なり、コーヒー生豆の相場高騰や調達リスクは年々深刻化しています。
2. 「豆に依存しない」新しい選択肢の提示
深刻化する未来を見据え、コーヒー豆そのものを使用せずに独自の調合技術でコーヒーの香りと味わいを再現したのが、この「カフェウォーター」です。メーカー希望小売価格が500mlで149円(税別)という手に取りやすい価格帯に抑えられているのも、高騰する生豆相場に左右されない設計だからこそ実現できた強みと言えます。
単なる奇をてらった新商品ではなく、持続可能な次世代のコーヒーを模索する大手メーカーの挑戦であることが、読み取れます。
ちなみに、私が購入したスーパーでは、10円の差で「カフェウォーター ブラック」の方が安く販売されていました。

「コーヒーの2050年問題」をもっと詳しく知りたい方はコチラ
👉「コーヒーの2050年問題とは?原因と私たちにもできる対策」
コーヒーではなく「清涼飲料水」

一般的に販売されているボトルコーヒーや缶コーヒーの「品名」は、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」によって、製品内容量100g中の生豆使用量ごとに細かく区分されています。
市販のコーヒーに関する表記ルール
- 「コーヒー」:生豆使用量 5g以上
- 「コーヒー飲料」:生豆使用量 2.5g以上〜5g未満
- 「コーヒー入り清涼飲料」:生豆使用量 1g以上〜2.5g未満
しかし、今回の「ジョージア カフェウォーター ブラック」は、上記のどの区分にも入らない「清涼飲料水」として販売されています。
既存の定番製品である「ジョージア ブラック」は「コーヒー飲料」です。
他の成分とスペックと並べて確認してみましょう。
| 項目 | ジョージア ブラック(参考:公式情報) | ジョージア カフェウォーター ブラック(参考:公式情報) |
| 品名 | コーヒー飲料 | 清涼飲料水 |
| 原材料名 | コーヒー(コーヒー豆(ブラジル、ベトナム))/香料 | 食物繊維(難消化性デキストリン(米国製造又は韓国製造))/香料、カラメル色素、クエン酸K、酸味料、カフェイン |
| エネルギー(100ml当たり) | 0kcal | 0kcal |
| たんぱく質(100ml当たり) | 0g | 0g |
| 脂質(100ml当たり) | 0g | 0g |
| 炭水化物(100ml当たり) | 0.7g(糖類 0g) | 0.5g(糖類 0g) |
| 食塩相当量(100ml当たり) | 0.04g | 0.04g |
| カフェイン(100ml当たり) | 記載なし | 20mg |
からだにやさしい「低カフェイン設計」
カフェウォーター ブラックで目を引くスペックが、100mlあたり「20mg」のカフェイン量です。
文部科学省「日本食品標準成分表」のコーヒー浸出液の備考欄には、以下のような条件と測定値が記載されています。
- 抽出条件:コーヒー粉末 10g / 熱湯
- 150mL 備考欄記載のカフェイン量:0.06g(=60mg)
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(第2章データより)
この公的な基準値と比較しても、カフェウォーター ブラックのカフェイン量はかなり控えめな設計になっていることが分かります。
なお、比較表で「ジョージア ブラック」側のカフェイン量が「記載なし」となっているのは、食品表示法においてカフェインの表示義務がなく、通常のブラックコーヒー製品では数値を非公開としているケースが多いためです。
一方のカフェウォーター ブラックは、原材料としてカフェインを意図的に添加して作られているため、特徴的な設計値として数値が明記されています。
この控えめなカフェイン量のおかげで、デスクワーク中にちびちび飲み続けても過剰摂取になりにくく、夜の「気分転換したいけれど強いカフェインは控えたい」というシーンでも手に取りやすくなっています。
「カフェウォーター ブラック」はコーヒーの味がする?「ブラック」と飲み比べ

では、この「カフェウォーター ブラック」は、コーヒーと言える味なのか?
実際に飲んでみて判断したいと思います。
せっかくなので、同じジョージアブランドの一番定番の「ブラック」と飲み比べて判断していきます。
「カフェウォーター ブラック」の味

まずは、「カフェウォーター ブラック」だけを飲んでみた感想です。
これは、かなり薄い水出しコーヒーでも飲んでいるような捉えどころのない味をしています。
そして、若干ゴクゴクと飲める麦茶と言われても信じてしまうような危うさもあります。
ただ口当たりはとてもよく、クリアな飲みやすさはあるので「飲みやすい!」と思って愛用する人も出てくるかもしれません。
通常「ブラック」と飲み比べた時の味の違い

そして、通常の「ブラック」と比較した時の感想です。
比較して一番分かることは、コクです。
コーヒー由来の深いコクが「カフェウォーター ブラック」の方は、まったくと言っていい感じられません。
この「コクがない」飲みやすい都合の良さを、プラスに捉えられるかどうかで、賛否が分かれる味だなと感じました。
また、「カフェウォーター ブラック」方は、難消化性デキストリンという食物繊維が入っているのも比較することでより顕著に実感できました。
というのも私は、昔、キリンのトクホの「メッツ コーラ」が好きで毎日のようによく飲んでいた時期があるのですが、これにも難消化性デキストリンが入っていて「難消化性デキストリンっぽい味」ということが私にはとても実感できるのです。
単体で飲んだ時には「まぁコーヒーと言えばギリコーヒーか」くらいに思ったのですがが、比較したことで「コーヒーのアイデンティティからは少し遠いな」という味の印象に変わりました。
結論:「カフェウォーター ブラック」は…コーヒーではないと私は思います!
今回実際に、コーヒー豆不使用の「カフェウォーター ブラック」を飲んでみた結論ですが、これを「コーヒー」と言いたくないなと私は感じました。
確かに、コーヒー豆を使わず香料やカフェインなどでそれっぽい風味は出ていますが、これをコーヒーと言ってしまうと、かなりストライクゾーンの広い定義になりそうで、すこし恐怖を覚えます。
特にコーヒーが持つコクがほぼ感じられないので、すごく都合のいい飲み物になってるなと思います。
もちろん、商品の表記ルール上としては「コーヒー」とうたっていないので何ら問題はないのですが、企業側としては「ジョージア」のブランドから出してるわけで、コーヒーの文脈で取り扱っていることは明らかです。
そして一方で、世界的にコーヒー豆が高騰し続けているという深刻な現実があります。
今回買ったスーパーでは、「カフェウォーター ブラック」がたった10円安いだけでしたが、これが5年後10年後、100円以上の差がついたら消費者はどちらを選びますか?
この商品は、今後のコーヒー市場によって自然淘汰されていくもので、その答えを出すにはまだ早いのかもしれません。
味としては「コーヒー」と認めたくはありませんが、市場として「コーヒー」の一ジャンルとして認められるかどうかはまた別の話ということです。
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