スペシャルティコーヒーは、近年コーヒー好きの間で注目を集めている高品質なコーヒーですが、その基準や定義は複雑で、なかなか理解が難しいものです。
本記事では、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が定めたスペシャルティコーヒーの定義や基準について詳しく解説し、その違いや見分け方をわかりやすく紹介します。
コーヒインストラクター2級の私が、表現が少し難解な定義を、誰にでもわかるように解説します。
※本記事はアフィリエイトプログラムを使用しています。
スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーとは、日本スペシャルティコーヒー協会(以下SCAJ)によって定められた基準を満たしたものに対して付けられる呼称です。
SCAJは、スペシャルティコーヒーに対する消費者と生産者の認識を深め、コーヒー文化の醸成や世界のスペシャルティコーヒー運動の貢献をしている一般社団法人になります。
SCAJが定める定義や基準は一言で表せるものではなく、複雑な要素が絡んでおり、人によって認識が曖昧になっていることも多いです。
ここでは定義と基準をはっきりとさせた上で、誰でもスペシャルティコーヒーの違いが分かるように解説します。
スペシャルティコーヒーは全体のおよそ5%しかない
コーヒーをグレードで分類すると大き4種類に分けることができます。
その中でスペシャルティコーヒーは、もっとも上位に分類されコーヒー全体での流通量はおよそ5%(日本国内)ほどになっています。
また、スペシャルティコーヒーの中には、COE(Cup of Excellence カップオブエクセレンス)と呼ばれる世界的に有名なコーヒーの品評会で受賞したものも含まれます。
コーヒーのグレードのかんたんな説明
・スペシャルティコーヒー
スペシャルティコーヒー協会の定める基準を満たし、Qグレーダーから80点以上の高評価を獲得したもの
・プレミアムコーヒー
Qグレーダーによる評価で80点を満たさないが産地限定の高品質なもの
・コモディティコーヒー
汎用的に一般消費されているもの
・ローグレードコーヒー
缶コーヒーやインスタントに使われるようなもの
スぺシャルティコーヒーの定義
まずは実際に日本スペシャルティコーヒーが定義している内容を紹介します。
消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)
具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。
日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。
これらの内容をもっと分かりやすく簡潔にまとめました。⬇️
スペシャルティコーヒーの定義を簡潔にまとめると・・・
- 消費者がおいしいと思わなければいけない
- 生産国特有の風味があり、爽やかで明るい酸味、後味が甘く残る
- 豆からカップまで一貫して品質管理が徹底されている
- 欠点豆が少ない
- 環境に配慮されている
- 生産から流通までの過程が追跡可能
重要なことは、この中から一つだけを満たしたからと言ってスペシャルティコーヒーと呼べるわけではありません。
すべてを満たす必要があります。
スぺシャルティコーヒー協会が定める7つの基準
以下が、SCAJが定めた7つの基準です。
1. カップ・クォリティのきれいさこれはコーヒーの品質の基本的スタートポイントとなるもの。カップのきれいさとは「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事。コーヒーの栽培地特性「Terroir」がはっきりと表現されるために必須な透明性があること。風味の「汚れ」「欠点」があると、Terroir による風味のプロフィールが隠され、飲む人が感知できにくくなる。
2. 甘さコーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。
3. 酸味の特徴評価コーヒーが如何に明るさを持つか。明るい爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象。良質の酸味は、コーヒーに生き生きとした印象度を与え、繊細さ、しっかりとしたバックボーンを与えるもの。酸度の強さではなく、酸の質について評価をする。反対に、刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味は、スペシャルティコーヒーには有ってはならない。
4. 口に含んだ質感コーヒーにより伝えられる触覚。口に含んだ質感には、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさ、収斂性感触などの感覚・触覚が含まれる。口に含んだ時の量感は、質感とは同じではない。量感に気をとられ過ぎると不快なザラツキによる触覚をコクと誤って判断する結果となる。質感の品質を評価せねばならない。
5. 風味特性・風味のプロフィールスペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。味覚と嗅覚の組み合わせ。栽培―収穫―回収―選別―生産処理―保管―焙煎―抽出が理想的に行われれば、栽培地域の特性―Terroir ―が正しく表現されるもの。コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性―Terroir が純正に表現できているかを明確に評価する。
6. 後味の印象度コーヒーを飲み込んだ後で持続する風味は、コーヒーの他の属性により醸し出される心地よさを強める場合、弱める場合、あるいは一切駄目にしてしまう場合とがある。コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する。
7. バランスコーヒーは風味の調和が取れているのか? 何か突出するものは無いか? 何か欠けているものは無いか?
こちらも分かりやすく簡潔にまとめました。⬇️
ちなみにこの基準は、一般的なコーヒーの判定で適用される欠点チェックとは全く異なるものだとされています。
スペシャルティコーヒーの7つの基準をまとめると・・・
- カップ・クォリティのきれいさ
「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事。産地の特性が表現できるほどの透明性がある事。 - 甘さ
単に糖分の高さが甘さに比例しているわけではなく、いろんな成分と混ざって複合的に見た時の甘さ。
これらは収穫時の熟度の均一さなどにも影響する。 - 酸味の特徴評価
明るい爽やかな酸味であるか、繊細な酸味であるか。
酸が強ければいいのではなく、酸の質が評価対象。刺激的で不快な酸味はあってはならない。 - 口に含んだ質感
質感とは、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさ、収斂性感触などの感覚・触覚を元にした評価。 - 風味特性・風味のプロフィール
スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。
味覚と嗅覚を通して、栽培地域の特性―Terroir ―が正しく表現されているかどうか。 - 後味の印象度
「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行っているかどうか。 - バランス
風味の調和が取れているのか? 何か突出するものは無いか? 何か欠けているものは無いか?
世界的なスペシャルティコーヒーの定義は?
ここまでお話ししたのは、日本のスペシャルティコーヒーに関してです。
では、世界的にはスペシャルティコーヒーはどのような定義がされているのでしょうか。
世界にはSCAA(Specialty Coffee Association)、いわゆるスペシャルティコーヒー協会というものがあります。
もともとはヨーロッパのSCAEと、アメリカのSCAAがあり、2017年に統合されSCAとなりました。
SCAでは点数評価があり、100点満点中80点以上のものを、スペシャルティコーヒーと呼んでいます。
日本のSCAJが示した定義もこのSCAの評価を元にしているようです。
スペシャルティコーヒーと普通のコーヒーの違いは?
これは、SCAJが定めた基準の5つ目「風味特性・風味のプロフィール」の項目において、明確に答えが書かれているので紹介します。
5. 風味特性・風味のプロフィール
スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。味覚と嗅覚の組み合わせ。栽培―収穫―回収―選別―生産処理―保管―焙煎―抽出が理想的に行われれば、栽培地域の特性―Terroir ―が正しく表現されるもの。コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性―Terroir が純正に表現できているかを明確に評価する。
つまり、普通のコーヒーとの違いは以下の2点があるかどうかです。
普通のコーヒーとの違いは・・・
- 理想的な品質管理のもと収穫から抽出まで行われているかどうか。
- 味覚と嗅覚で感じた時に、栽培地域の特性がしっかり出ているかどうか。
スペシャルティとスペシャリティの違いは?
日本では、一般的に「スペシャルティコーヒー」と呼びますが、一部では「スペシャリティコーヒー」と呼んでいるところもあります。
「ル」と「リ」の一文字違うだけですが、これはそれぞれ英語の言い方に由来しています。
アメリカ英語の場合、「specialty」と書くので「スペシャルティ」
イギリス英語の場合、「speciality」と書くので「スペシャリティ」
このように表記は違えど、意味は同じです。
また、1999年までは日本スペシャルティコーヒー協会は「日本スペシャリティコーヒー会議」という名前だったことも、表記の曖昧さに拍車をかけています。
現在は日本スペシャルティコーヒー協会として「スペシャルティコーヒー」と称しているので、こちらがスタンダードになっています。
スペシャルティコーヒーは誰が決めるの?
Coffee Quality Institute(CQI)から認証を受けたQグレーダーが、スペシャルティコーヒーの評価に参加します。
Qグレーダー達のSCAが定める基準に基づいたカッピングにより、その評価が100点満点中80点以上のものに対して、スペシャルティコーヒーと認定されます。
Qグレーダーとは国際的なコーヒーの専門資格で、正式には「Licensed Q Grader」と呼ばれています。
資格は3年ごとに更新試験があるため、資格者の知識や能力の維持・管理が求められます。
試験は、筆記試験から嗅覚や味覚を審査する実技試験も含めた全8科目19試験から構成されています。
このような厳しい試験を乗り越えたQグレーダーに80点以上をもらうことは容易いことではありません。
以下にスペシャルティコーヒーが、特別で高価なものであるかが分かると思います。
スペシャルティコーヒーは浅煎りしかない?
必ずしも浅煎りでなければいけないという基準はありません。
ただし、スペシャルティコーヒーの基準の一つである、明るい爽やかな酸味や繊細な酸味を出すには、浅煎りの豆であることの方が多いです。
通販でスペシャルティコーヒーを買うならPostCoffee(ポストコーヒー)がおすすめ
PostCoffee(ポストコーヒー)は、サブスクリプションサービスで、世界中のスペシャルティコーヒーを楽しむことができます。
普通のスーパーのコーヒーコーナーには、スペシャルティコーヒーは売っていません。
PostCoffee(ポストコーヒー)なら毎月、自分のポストに勝手に投函してくれるので、スペシャルティコーヒーを身近に楽しむにはぴったりです。
スペシャルティコーヒーにPostCoffee(ポストコーヒー)がおすすめな理由
ポストに投函されるので手間なく受け取れる
PostCoffee(ポストコーヒー)は、ポストにも投函できるような長方形の薄い箱に梱包されています。
そのため、通販では煩わしい再配達になることもなく、仕事から帰ってきたら家に確実に届いているという安心感があります。
自分の好みに合ったおすすめの豆を選んでくれる
PostCoffee(ポストコーヒー)では、無料コーヒー診断というものがあります。
1分で終わる簡単なアンケートのようなもので、これに答えると自分が好みとしている味をカテゴリに分けて、PostCoffee(ポストコーヒー)の中で最も適した豆を選んでくれます。
スペシャルティコーヒーは、一般的なスーパーの豆よりは高価なので、なるべく失敗したくないと思いませんか?
PostCoffee(ポストコーヒー)だと、自分の好みの味に寄せたものを提供してくれるので、そのような味の好き嫌いによる失敗はほぼありません。
定期便の周期やグラム数も自由に選べる
PostCoffee(ポストコーヒー)では、以下のように定期便の周期とグラム数を細かく設定できます。
豆の状態 | ハンドドリップ用(中挽き) 豆のまま ドリップバッグ(3種・各3個) フレンチプレス用(粗挽き) エアロプレス用(中細挽き) コーヒーメーカー用(中細挽き) |
1種類ごとの容量 | 75g 150g 300g |
豆の種類数 | 3種類 6種類 |
お届け周期 | 2週間 1か月 |
デカフェ(カフェインレス) | デカフェなし デカフェのみ(種類数は6種類は選択不可) デカフェも飲む(たまにデカフェも届く) |
お届け周期に関しては、一時的に供給をストップすることもできます。
次の定期便が届くころに、まだ前のコーヒーが消費しきれていないこともあると思います。
そのような場合においても、一時的にストップして自分のペースに合わせた供給が可能です。
PostCoffee(ポストコーヒー)のカスタマイズ性の高さは、自分の生活リズムに合わせやすくていいですね!