コーヒーミルを使っていると、静電気でコーヒー粉が飛び散って困ったことはありませんか?
ひどい時にはコーヒーミル本体に粉がまとわりついて、なかなか取れずにイライラして、せっかくのコーヒータイムが台無しになります。
特に冬場になると静電気の発生は激しく、「またこの季節が来たか」と思っている人もいるかもしれません。
安心してください。私も同じように思ってます。
そこで今回の記事では、コーヒーミルの静電気対策に関して、ウェブサイトやYoutube動画のコーヒー通の方が実践している対策を徹底的に調べました。
静電気の対策方法とグッズ、そして静電気が発生しにくいコーヒーミルまで紹介していきます。
冬の寒い時期のあたたかいコーヒーは格別です。
その特別なひと時を邪魔をする静電気を取り除いて、より楽しい時間に変えていきましょう。
目次
コーヒーミルに静電気が発生する原因と背景
コーヒーミルの静電気の対策をする前に、簡単にその発生原因と起こりやすい背景について解説します。
静電気に対する前提知識を入れておいた方が、対策するときにも理屈が分かるので役に立ちますよ。
摩擦による帯電で静電気が発生する
静電気は、コーヒーミルの摩擦の帯電によって発生します。
コーヒーミルには、大きく分けてプロペラ型、コニカル式(円すい形の刃)、うす式(フラットな刃)の3タイプがあります。
どのタイプでも刃が回転することでコーヒー豆とこすれ合い摩擦が生じます。
微量な静電気なら影響がないのですが、コーヒー豆を挽き切るまでに起こる摩擦の回数は多く帯電していきます。
電気にはプラスやマイナスの属性があります。
それらの属性が反発しあうことで、コーヒー粉が飛び散ったり、本体にまとわりついたりします。
手動ミル、電動ミル関係なく静電気は発生する
手動ミル、電動ミルに関係なく静電気は発生します。
どちらも刃と豆、豆と豆同士でこすれ合って摩擦が生じるのは同じです。
ただし、電動ミルの方が刃の回転が速く摩擦熱が大きくなるため、手動ミルに比べて静電気の帯電量は多くなりやすいです。
手動ミル、電動ミルそれぞれでおすすめの静電気対策方法があります。
この記事では、様々なアプローチからの静電気対策方法を紹介しているので、自分のミルに合った対策を講じてください。
特に冬に発生する
冬になると空気が乾燥します。
通常は、空気中の水分が静電気と中和することで静電気が発生しにくい状態になっています。
しかし、湿度が下がって乾燥すると、空気中の水分がなくなり中和できなくなるため、静電気が発生しやすくなります。
冬に静電気が起こりやすい原因は、湿度と関係があるためです。
コーヒーミルの静電気対策グッズ
コーヒー業界では、これまで静電気問題で様々な対策が講じられてきました。
ここでは、それらの静電気対策を一挙におすすめグッズを交えながら紹介していきます。
スプレーボトルで水分を含ませる(RDT)
コーヒー豆を挽く前に、そのコーヒー豆に水分を含ませることで、静電気の発生を抑えることができます。
おそらく、これが今一番メジャーで実践している人が多い対策だと私は思います。
というのも理由は簡単で、誰でも簡単にすぐにできるからです。
私の場合は、濡れたティースプーンでコーヒー豆をシャカシャカかき混ぜることで、コーヒー豆に水分を映しています。
小さなスプレーボトルを買い、そこに水を入れて1~2プッシュすることで水分を吹きかけている人もいます。
ちなみに、この水を使う方法はRDTとも呼ばれています。
「Ross Droplet Technique」の略で、Rossというのはこのテクニックを広めた人の名前がDavid Rossだからだそうです。
スプレーボトル(水)のメリット・デメリット
- 手動、電動関係なく対策可能
- 安価で簡単ですぐできる
- 水分が多いとミルのサビの原因になる
- スプレーボトルの水は長時間放置すると腐るので注意
アルミホイルや静電気除去テープを使う
アルミホイルや静電気除去テープを、電動ミルの排出口を覆うように取り付けることで、静電気を減らして粉の飛び散りを抑えることができます。
アルミホイルは電気を通しやすく静電気を逃がすことができます。
静電気除去テープには、金属やカーボン素材が織り込まれていて静電気を中和させる効果があります。
ただ、いろんな方の実践している動画や画像を見る限り、見違えるほどの大きな効果があるようには思いませんでした。
もちろんその商品の性能にもよりますし、何もしないよりそのようなテープを巻いた方が、粉の飛び散りは少なくなります。
ただそのテープ自体にも多少は粉がまとわりつくので、見た目はあまり良くないです。
アルミホイルや静電気除去テープのメリット・デメリット
- 電動ミル専用対策
- アルミホイルなら手軽で用意しやすい
- 見た目がかっこ悪い
ステンレスの受け皿を使う
受け皿をステンレス製のものに変えるだけでも、一定の静電気効果が見込めます。
これはステンレスが電気を通しやすい性質があり、アースの代わりになって電気を逃がす役割を担ってくれるからです。
市販の電動ミルでも、付属の受け皿が元々ステンレス製になっている商品があるのは、それが理由です。
ただ、受け皿だけでは大きな効果は見込めないので、他の対策と併用してより効果を出す補助的な対策と考えたほうがいいでしょう。
ステンレス受け皿のメリット・デメリット
- 電動ミル専用対策
- これだけで大きな効果は見込めない
アース線を使って電気を逃がす
これは、ステンレスの受け皿対策の強化版のような対策です。
受け皿にも静電気が帯電していますが、同じように電動ミル本体にも静電気が帯電しています。
そこで、電動ミル本体をアース線に繋ぐことで、電動ミル本体側の静電気も逃がそうというのがこの対策です。
アース線はコンセントとは別で、電気を逃がすために設置されているものです。
無知な人が、間違って電線をコンセントに突っ込んだりすると感電する可能性があり非常に危険なので、アース線を繋ぐときは必ず知識のある人が行いましょう。
ただ、このアース線とステンレス皿の効果は大きく、この対策をしている方の対策結果を見ると、大きな効果が出ているケースが多いように感じました。
アース線のメリット・デメリット
- 電動ミル専用対策
- ステンレスの受け皿と併用で効果アップ
- 無知な人がアース線を繋ぐのは危険
パウダーコレクターを使う
パウダーコレクターとは、静電気対策専用に開発された商品です。
「みるっこ」という電動ミルの排出口に取り付けることで、粉の飛び散りを抑えることができる商品です。
当初は「みるっこ」にしか対応していない商品でしたが、別途マルチアダプターを買うことでボンマックのBM-250Nや、カリタのナイスカットGの電動ミルにも対応しました。
この商品はコーヒーサクラさんというコーヒーショップのHPで購入できます。
対応機種などの詳しいことは、販売ページで確認してください。
商品ページのリンクはコチラです。
パウダーコレクターのメリット・デメリット
- 電動ミル専用対策
- 対応機種が限られている
加湿器で部屋の湿度を保つ
これは静電気の特性を理解した対策です。
加湿器を使って部屋の湿度を上げることで、冬でも夏や春の時のように静電気を何も気にしなくてもよい環境にすることができます。
またそれだけでなく、冬の乾燥肌や風邪を引いた時のノドの粘膜の保護にもよいので一石二鳥です。
湿度は40~60%程度あれば、静電気が発生しにくい環境と言われています。
冬場は、窓の結露などもあり、湿度はカビが発生する原因にもつながるため、加湿はほどほどを心がけましょう。
加湿器のメリット・デメリット
- 手動、電動関係なく対策可能
- 乾燥肌やノドのケアにもなる
- やりすぎるとカビの原因になる
専用のハケやブラシで払い落す
これは、静電気対策というよりは静電気が発生した後の対処法です。
専用のブラシを使って払い落とすことで、比較的簡単に粉は落ちてくれます。
ただ静電気の帯電量が多いとハケやブラシでもなかなか落ちないことはあります。
コーヒーミル用の静電気が発生しにくい素材のハケがあります。
探せば1000円程度でどこにでも売っていますので、一つ持っておくと重宝します。
ハケやブラシのメリット・デメリット
- 手動、電動関係なく対策可能
- 手軽で掃除しやすい
- 毛の間に粉が詰まってくるので定期的に掃除は必要
ブロアーでコーヒー粉を吹き飛ばす
ブロアーと呼ばれる風を送る器具で、コーヒー粉を飛ばす方法です。
これも、静電気発生後の対処法の一つですね。
ブロアーは、精密機器やカメラのレンズのほこりなどを取る時に使われる道具です。
この方法なら、ブラシで届かないミルの細かなすき間に詰まった粉も飛ばすことができます。
唯一のデメリットは飛んだ粉はどうするの?という点です。
もちろん、吹き飛ばすわけですから、粉は空気中に散布されます。
外ならまだしも、部屋の中ならその粉は部屋にまき散らしているのと同じです。
ブロアーのメリット・デメリット
- 細かいすき間にも対応できる
- 飛ばした粉の良い対処方がない
静電気が少ないコーヒーミル
ここまで、多種多様な静電気対策を紹介してきましたが、そもそも静電気が発生しにくいミルを買うというのも一つの手段です。
現状、市販で売られている静電気が発生しにくい機能を搭載したミルは、「カリタの NEXT G2」 です。
NEXT G2は、本体と排出口と受け皿の間に、マイナスイオンが発生する静電気除去装置が標準搭載されているので、静電気の発生を大きく抑えることができます。
Youtubeの商品レビューをいくつか見ていただければわかりますが、どのレビューでも全く粉が飛び散っていないのが見て分かります。
冬場のレビューかどうかでも結構変わると思いますが、少なくとも映像を見る限り粉が大きく飛び散っているレビューはありませんでした。
多少の値は張りますが、新しく電動ミルを導入するなら、静電気除去対策においてはカリタの NEXT G2 一択でしょう。
コーヒーミル静電気対策のまとめ
コーヒーミルに静電気はつきものです。
自分が持っているコーヒーミルや、部屋の環境、季節によって対策のアプローチは変わってきます。
私の主観が入りますが、それらの状況別のおすすめの対策方法をまとめておきます。
静電気対策は一つだけ行うよりは、複数の対策を併用することでより効果が見込めます。
自分に合った静電気除去対策で、毎日のコーヒーライフをより豊かにしていきましょう。