ハリオ「V60 ドリッパー NEO」とは、HARIO株式会社が出している「V60」シリーズの新作ドリッパーです。
「V60」シリーズは、2025年で20周年という節目を迎え、このタイミングで「NEO」という名前で新作が発表されたことで話題になりました。
「NEO」という名前のイメージからも「V60」を正統進化させたような性能で、今後、円錐形ドリッパーの新たな定番になる可能性も秘めており、大注目のドリッパーになっています。
特筆すべきは、抽出速度の速さで、すべてのドリッパーで比較したわけではありませんが、おそらく円錐形の中では最高水準の抽出速度を実現しています。
ここで「速ければ何でもいいのか?」という疑問が湧きますが、そんなことはありません。
ただ言えることは「速ければ、工夫次第で自由に遅くもできる」ということです。
今回のレビューでは、純粋なサイズの違いや性能解説に加え、「工夫次第で」コントロール性能を高められる新たな可能性にも触れていきます。
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目次
ハリオ「V60 NEO」の性能解説
まずは、「V60 ドリッパー NEO」の基本的な商品情報を紹介しておきます。
サイズは「01」「02」の2種類で、台座はシリコンゴム製で取り外し可能です。
「V60 NEO」のスペック | 01サイズ | 02サイズ |
品番 | VDN-01-B | VDN-02-B |
カラー | ブラック | ブラック |
対応人数 | 1~2杯分 | 1~4杯分 |
サイズ | 幅108×奥行108×高86mm 口径108mm | 幅128×奥行128×高103mm 口径128mm |
重量(小箱含む) | 約150g | 約190g |
メーカ―希望小売価格 | ¥1,980(税込) | ¥2,200(税込) |
材質 | 上部(PCT樹脂トライタン) 台座(シリコンゴム) | 上部(PCT樹脂トライタン) 台座(シリコンゴム) |
原産国 | 日本 | 日本 |
食洗機 | OK | OK |
「NEO」の最大の特徴は72個のリブによる高速抽出

「V60 ドリッパー NEO」の最大の特徴は、72個にも及ぶ細かなリブです。
V60同様に、緩やかなスパイラルを描きながら、底に向かって72個のリブが9個のとがったリブへと変わっていく機構になっています。
これにより、従来のV60より速い抽出速度を実現しています。
また、上部はトライタンと呼ばれる高性能樹脂で、その繊細なリブと相まって、高級感あふれる質感と見た目が、物欲センサーをそそってきます。
「NEO」と「V60」の違い


「V60 ドリッパー NEO」は、「V60」の正統進化のような性能のため、「V60」との違いを見てみましょう。
まず、「V60」は取っ手がありますが、「NEO」にはありません。代わりにシリコンゴムの台座があります。
そして、リブの数は圧倒的に「NEO」の方が多いです。
また中央の穴は、意外と同じくらいの大きさであることが分かります。
そして、以下に「V60」と「NEO」で実際にお湯を注いだ時の、お湯の抜け方を比較しました。
「V60」は、じわーっと抜けていきますが、「NEO」は真下にストンと落ちるようなイメージで抜けていきます。
計測しなくても見た目だけでも、明らかに「NEO」の抽出速度が速いことが実感できます。
通常の「V60」と「NEO」のお湯の抜け方の比較
— ハリオ大好き! (@hariodaisuki) September 28, 2025
速さの比較ではありません。抜け方です。
「V60」の方がじわーっと抜けて行っているのが分かります。 pic.twitter.com/HIHH91nRRA
「V60 ドリッパー NEO」の「01」「02」のサイズによる違い

ハリオの「V60 ドリッパー NEO」は、「01」「02」の2サイズ展開です。
どちらを買おうか悩んでいる方に、参考になる情報をお届けします。
(※スイッチとの組み合わせに関しては、後で触れますので、下の方まで読み進めてください。)
まず、「01」「02」もシリコンの台座は同じ大きさです。
そして、抽出される穴の大きさも「01」「02」同じです。
(※計測してませんが、見た目ではほぼ同じ)


つまり、「01」「02」の違いは、純粋に上部のドリッパー部分が上に延長されたことによる大きさの違いだけということが言えます。
以上を踏まえて、「01」「02」の違うところだけをまとめます。
「01」「02」の違い
上部を含めたサイズ
「01」:幅108×奥行108×高86mm 口径108mm
「02」:幅128×奥行128×高103mm 口径128mm
メーカ―希望小売価格
「01」:¥1,980(税込)
「02」:¥2,200(税込)
スイッチ組み合わせ時のお湯を貯めれる量(コーヒー粉15g想定)
(満量の判断によって多少誤差あり)
「01」:約180g
「02」:約315g
※スイッチの項目でもう少し詳しく触れますので、下に読み進めてください
「V60 ドリッパー NEO」の台座は変えられる


01、02どっちも行けます!
「V60 ドリッパー NEO」の台座は、シリコン製の台座です。
ただ人によっては、このシリコンの台座が洗いにくいと感じたり、樹脂製の本体部と似合わない感じる人もいると思います。
そういった場合には、既存のV60シリーズの「MUGEN」の黒い台座に付け変えることで、違和感なくモデルチェンジできます。
逆に「V60 ドリッパー NEO」のシリコン台座を「MUGEN」や、「スイッチの上部のガラスドリッパー」と組み合わせて使うことも可能です。


「V60 ドリッパー NEO」は、浸漬式のスイッチと組み合わせ可能!

「V60 ドリッパー NEO」は、台座を取り外して「浸漬式ドリッパー スイッチ」と組み合わせることができます。
スイッチの上部は、元々ガラス製のV60が付いていますが、「V60 ドリッパー NEO」に付け変えることで、以下のようなメリットがあります。
NEOとスイッチを組み合わせるメリット
・ガラスから樹脂になることで、軽くなり、割れにくくなる
・スイッチ解放時のお湯抜けのスピードが速くなる
また、「V60 ドリッパー NEO」は「01」「02」サイズによって、スイッチと組み合わせた時のお湯を貯めれる量が変わります。
以下に、実際にコーヒー粉15g時に、どれくらいのお湯が溜めれるか比較しました。
「01」「02」サイズどちらを購入するか悩んでいる方に、参考にしていただければと思います。
ポイントとしては、通常スイッチ200mlサイズと同じくらいの湯量を貯めたいなら「NEO 02サイズ」の方が適しています。
また「NEO 01サイズ」でも、ハイブリッド式(透過と浸漬の組み合わせ)をするなら「01」でも行けそうだとは思います。
ポイントは「180g以上」お湯を上に溜めたいかどうかで、「01」か「02」を決めていただければいいと思います。

スイッチの気になる商品情報は、以下に分かりやすくまとめています。
「V60 ドリッパー NEO」は、高速抽出ペーパーメテオとも相性がいい!

「V60 ドリッパー NEO」は、同じハリオから出ている「メテオ」と言われる高速抽出のペーパーと相性がいいです。
ただでさえ、抽出速度の速い「V60 ドリッパー NEO」ですが、「メテオ」と組み合わせることで、その速さは驚異的なものになります。
これは、通常のハンドドリップでは、あまりに速すぎてまともな抽出ができないかもしれません。
ただ「浸漬式のスイッチ」と組み合わせることで、この速さはコントロール性能に変換させて、武器にすることができます。
以下は「NEO」×「メテオ」×「スイッチ」を使ったときの動画です。
この3つの組み合わせによって、「しっかり浸漬させて、狙った時間に一気にストンと落し切る」レシピが可能になります。
「V60NEO」×「メテオ」×「スイッチ」
— ハリオ大好き! (@hariodaisuki) September 28, 2025
これは笑うしかない速さ😂
早送りしてませんよ!
しかも浅煎りの目詰まりしやすい豆です!
しっかり浸漬させて一瞬で落とし切る!
まさに自由自在! pic.twitter.com/GtGdJNguTz
ちなみに、メテオのレビューは以下をご参考に!
「V60 ドリッパー NEO」で可能性が広がるレシピ
「V60 ドリッパー NEO」は、その抽出速度の速さが、最大の武器です。
ここでは「抽出速度が速い」ことで、新たな可能性が広がるレシピについて触れていきます。
浅煎りのスペシャルティの目詰まりによる抽出遅れを解消
世はまさに、浅煎りのスペシャルティコーヒー黄金時代です。
でも、このスペシャルティコーヒーの浅煎りの豆は、通常の豆より微粉が良く出る傾向があります。
そのためハンドドリップ時に、ペーパーに微粉が目詰まりして、抽出速度が極端に落ちることがあります。
これを「V60 ドリッパー NEO」に変えることで、目詰まりをなくし、すっきり抽出することが可能になります。
見ていただければわかりますが、直前で紹介しているスイッチと組み合わせた動画でも、スペシャルティの浅煎りの目詰まりしやすい豆で、あれだけ速い抽出が可能になっています。
ハンドドリップでは不可能だった細かい挽き目で抽出
ハンドドリップは、一般的には、「中挽き、中細挽き」くらいの挽目で抽出をします。
これは、それ以上挽き目が細かいと、抽出速度が遅すぎて、時間がかかりすぎて雑味が出るからです。
これを「V60 ドリッパー NEO」に変えることで、いままでハンドドリップで抽出しなかったような細かい挽き目でコーヒーを味わうという、新たな可能性を広げることができます。
極端な例ですが、エスプレッソ用の極細挽きを少量で、「V60 ドリッパー NEO」を使うことで、普通の抽出くらいの速さで落すなんていう考え方もできます。
まとめ:「V60 ドリッパー NEO」の速さは、時間コントロールを自由自在にし、新たな可能性を引き出す
ハリオの「V60 ドリッパー NEO」は、「V60」にさらなる速さを求めた新時代の円錐形ドリッパーです。
ただ「NEO」は速さを求めただけではありません。
それは「浸漬式のスイッチ」や「高速抽出ペーパーのメテオ」と組み合わせることによる、無限大のレシピの可能性です。
好きなだけ浸して、好きな時に浸漬をスパっと終わらせる
このコントロール性能の高さは、おそらくプロの世界でも強く求められているもので、世界大会で使われる日も近いかもしれません。
また「NEO」の特筆すべき点は価格です。
これだけの高性能ドリッパーを、2000円程度に抑えて商品化した意味は大きく、家庭用としても今後広く親しまれるドリッパーになるでしょう。
まだ各通販サイト、売り切れ続出&そもそも取り扱いないかもしれません、ご自身で確認お願いいたします。