ハリオ「V60 コーヒーペーパーフィルタ―・メテオ」の比較検証レビュー

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ハリオ「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」の比較検証レビュー

ハリオの「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」をご存じでしょうか?

「メテオ」は、スペシャルティコーヒーを淹れるために開発されたペーパーフィルターです。

ただ見た目だけでは、なかなか「メテオ」の魅力が分からない人も多いと思います。

そこで、今回は「V60用(通常版)」と「アバカ+」というペーパーフィルターと比較検証することで、「メテオ」の魅力に迫っていきたいと思います。

「手触り」「見た目」「透け感」「抽出時間」「味わい」の、5つの要素を徹底検証するので、気になる方はぜひ見ていってください!

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ハリオ「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」とは?

「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」は、2025年にハリオから出た新しいペーパーフィルターです。

「メテオ」の特徴

  • スペシャルティコーヒー向けに開発
  • V60 用 ペーパーフィルターと比べ、約3倍の透過速度を実現
  • 原材料は、紙、アバカ、ポリ乳酸(PLA) を使用

このように「メテオ」は、現在のスペシャルティコーヒー文化に特化させた、ペーパーフィルターとして注目を浴びています。

こちらは、私の実際の開封動画です。

「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」は、箱が引き出し式になっていて、そのまま保存用の箱として代用できます。

ブラックカラーと金の箔押しもあって、高級感が漂ってきます。

メテオは「01」「02」サイズがあります。私が購入したのは「01」サイズです。

「メテオ」と「V60用(通常版)」と「アバカ+」で5つの要素を比較検証

左から「V60用(通常版)」「メテオ」「アバカ+」
左から「V60用(通常版)」「メテオ」「アバカ+」

今回は「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」の性能の魅力を知るためにも、他のフィルターとさまざまな比較をしていきます。

比較するフィルターは「V60用(通常版)」とCAFECさんの「アバカ+」です。

「V60用(通常版)」は、さまざまな円すい形ドリッパーの代用ペーパーとして愛されています。

「アバカ+」は、ペーパーフィルターを製造している三洋産業さん(CAFEC)の人気ブランドで、こちらもコーヒー好きの間で人気を博しているペーパーフィルターです。

「メテオ」との違いを確かめるための比較対象としては、申し分のないフィルターだと思います。

この3つのフィルターを「手触り」「見た目」「透け感」「抽出時間」「味わい」の、5つの要素で徹底比較します

比較検証① ペーパーの手触り

左「V60用(通常版)」上「メテオ」右「アバカ+」
左「V60用(通常版)」上「メテオ」右「アバカ+」

まずコーヒーペーパーは、表面と内側の面で、質感や手触りが異なります。

特筆すべきは「メテオ」の内面の手触りで、まるで極薄のコピー用紙を触っているかのようなツルツルのサラサラでした。

見た目には、ザラザラしてそうなんですが、実際に触るとまるで感触が違うので驚きました。

また「アバカ+」だけが、内面よりも表面の方がサラサラだったのも大きな違いです。

ペーパー手触り素材(公式表記を参考)
V60用(通常版)表:ザラザラ 内側:サラサラ表記無し
メテオ表:ザラザラ 内側:ツルツル紙、アバカ、ポリ乳酸(PLA)配合
アバカ+表:サラサラ 内側:ややザラザラアバカ配合(非木材・麻の繊維入り)

ちなみに「アバカ」とは、バナナに似た植物のことです。

比較検証② 見た目

上から「V60用(通常版)」「メテオ」「アバカ+」
上から「V60用(通常版)」「メテオ」「アバカ+」

一番大きな見た目の違いは、圧着部分でした。

「メテオ」は他のペーパーと比べても、圧着部分の凹凸の深さが浅いです。これは写真の見た目からでもわかるかと思います。

凹凸が浅いとそれだけドリッパーとの密着性が高まって、不安定な空気の抜けが起こらないので、安定抽出につながります。

「V60用(通常版)」の見た目
「V60用(通常版)」
「メテオ」の見た目
「メテオ」
「アバカ+」の見た目
「アバカ+」

紙の繊維の見た目は、「アバカ+」はきれいな繊維状のクレープ生地が見た目でもよく分かります。

一方で「メテオ」は、ザラ半紙のようなまばらでぼやけたような見た目になっています。

V60用(通常版)は、その間といったところでしょうか。

比較検証③ 透け感

「V60用(通常版)」の透け感
「V60用(通常版)」
「メテオ」の透け感
「メテオ」
「アバカ+」の透け感
「アバカ+」

透け感の比較は、ペーパーの後ろがどれだけ認識できるかで比較しました。

特に上部の「HARIO V60」という文字がどれだけ見えるかで比較すれば、分かりやすいかと思います。

これは「アバカ+」が圧倒的に透け感が低く、紙に厚みがあるように感じます。

「HARIO V60」という文字も見えません。

「メテオ」はしっかりと「HARIO V60」と文字が認識できます。

厚みがあると、それだけお湯の抜けに時間がかかります。この後の検証でも、それは数値として現れました。

比較検証④ 抽出時間

メテオ検証時の様子
メテオ検証時の様子
ペーパー抽出時間(170mlのお湯が抜けきる時間)
V60用(通常版)76秒
メテオ52秒
アバカ+105秒

抽出速度を検証した結果、このような結果となりました。

「メテオ」が24秒、通常版よりも早く抽出が終わりました。

公式が言う3分の1の短縮とはなりませんでしたが、これは挽き目、粉量、タイマーストップのタイミングの基準の違いによっても変わるので、私の検証と比較することには意味がないと思います。

ただ、今回の検証で得られた「24秒」という数値は、かなり味に影響を与える秒数であることは間違いないです。

また「アバカ+」は「メテオ」と比べると約2倍は抽出時間がかかっています。

最初のスピードは早かったんですが、量が減ってからじわじわ時間をかけて抽出されるようなタイプでした。

ペーパーの透け感の見た目比較からも、この結果は想像通りとも言えます。

時間に関しては、条件や測定方法が変わるだけでもかなり誤差があると思うので、大まかな目安として参考にしてください。

以下に、今回の条件を提示しておきます。

検証時の条件

条件
使用豆:ウニールのハウスブレンド
豆:13g(中細挽き)
お湯:170g(93℃)
抽出方法:スイッチドリッパーによる浸漬式(2分浸漬)

※すべて「01」サイズのペーパーで淹れてますが、スイッチの200mlタイプは「02」推奨です。
ただ170ml程度なら普通に「01」でも淹れられるので使っています。

測定方法

  • 一気に170mlそそいで2分間浸漬
  • 2分後にスイッチを解放した瞬間が計測スタート
  • タイマーストップは、残りの液体の点滴の間隔が1秒以上になった瞬間
    (ここは人によって検証結果が変わる大きなポイントだと思います、見た目でアバウトに終了させる人もいると思うので。)

比較検証④ 味わい

検証に使った豆
検証に使った豆

今回検証に使った豆は、スペシャルティコーヒーを扱う「Unir(ウニール)」さんのハウスブレンドです。

シングルオリジンで比較してもよかったのですが、あまりに特徴が尖ったものは、純粋な味の比較が難しいと感じたため、すこし落ち着きのあるブレンドの方がいいかと思い、スペシャルティのブレンドを選びました。

まずは、V60(通常版)のペーパーで飲んだ時の味を見て、それを基準とします。

比較基準となる味:V60(通常版)

検証に使った豆
ウニールのハウスブレンド】スペシャルティコーヒー

味の印象
チェリーやブドウのようなふくよかでジューシーな酸味
コクを感じるような深い甘さもある
後味に若干、苦みのような複雑な余韻がスパイスとして残る

では、この基準の味に対して、「メテオ」と「アバカ+」で、どのような変化があったかをまとめました。

「メテオ」と「アバカ+」ではっきりと味の方向性が分かれました。

「メテオ」はより酸味が引き立ち華やかな印象で、「アバカ+」は逆に甘さが増して、コクのある落ち着いた味わいになりました。

V60(通常版)と比べてどう変わったか?
メテオ酸味がより際立った
後味がすっきりとし、雑味が減った
アバカ+酸味が抑えられた分、甘みが増した
カドがなくなり、まろやかなコクを感じられるようになった

結論:「メテオ」はスペシャルティコーヒーでスイッチに使うのが相性バツグン!

今回の検証結果を踏まえて、「V60 コーヒーペーパーフィルター・メテオ」は、ハリオ公式が提唱しているように、スペシャルティコーヒーに使うのがもっともポテンシャルを引き出せると感じました。

一つは「酸味がより引き立つ」から。そしてもう一つは「雑味が減るから」です。

スペシャルティコーヒーの多くは、目の覚めるような華やかな酸味が引き立つものが多く、まさにこの「メテオ」にピッタリだと思います。

雑味を減らして、スペシャルティコーヒーが持つ、華やかさをより引き立てたいと思う時に適任のペーパーです。

また、今回検証に使った「浸漬式ドリッパー スイッチ」も「メテオ」と相性の良さを感じました。

その理由は、スイッチの最後の抽出時間を早めることで、無駄な雑味が出る前に抽出を終わらせられるからです。

一方で、通常の「V60ドリッパー」に使用すると、序盤から落ちるスピードがかなり速いので、繊細な速度コントロールが求められることが想像できます。

今後「メテオ」は、プロの間でもさまざまなレシピが研究されていくと思うので、そういった意味でも注目のペーパーになるでしょう。

一般的な使い方としては、ちょっと高級なスペシャルティの豆を買った時に、それをより贅沢に味わう手段として「メテオ」を使うのがいい活用方法だと思います。

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