いつもは、コーヒーのレビューや役立つ情報を提供している私ですが、たまにはこんな企画もありだろうということで、ゲームレビューです。
「Coffee Talk(コーヒートーク)」というコーヒーを題したゲームを、コーヒーインストラクター2級の私がやったら、どんな気持ちになるのか。
最近よくある、その道の人がやってみた系の浅はかな企画ですいません(笑)
でも、コーヒー好きでゲームも好きな方なら、この「コーヒートーク」というゲーム、名前くらいは耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
実は私も気になっていた一人で、なかなかプレイする機会に恵まれませんでしたが、ブログ記事の一貫でやって見ることにしました。
今回のレビューは、「コーヒーインストラクター目線」と「購入を気になってる人が知りたそうなこと」をメインにレビューしていきます。
※基本的に物語の核心を突くネタバレはしませんので、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
プレイした私について
私は、コーヒーインストラクター2級の資格を持っています。
このコーヒーインストラクター2級とは、全日本コーヒー商工組合連合会認定の資格で、上位資格は「1級」「コーヒー鑑定士」と続いています。
「コーヒー鑑定士監修」のような文言が書かれた商品を目にするのは、この資格のことで、コーヒー業界で働く人が目指す資格になっています。
2級は、超高難度資格というわけではありませんが、何も勉強しなかったら落ちます。普通に勉強していれば受かります。というくらいのレベルです。
普通の人よりは、コーヒーの総合的な知識に精通している者として捉えていただければと思います。
COFFEE TALK(コーヒートーク)とは?

「Coffee Talk(コーヒートーク)」は、Toge Productionsというインドネシアのインディーゲーム会社によって開発されたゲームです。
2020年発売で、PC、PlayStation 4、5、Xbox One、Nintendo Switchと幅広いプラットフォームで遊ぶことができます。
自分が「Coffee Talk」という喫茶店の店主になって、そのお店のお客さんと会話していく中で物語が進んでいくノベルアドベンチャーゲームです。
お客さんの注文に対してドリンク提供をし、お客さんの会話を聞くことにゲームの焦点が充てられているとてもユニークなゲームとして、人気を博しています。
コーヒートークの魅力

では、ここからは私が実際にプレイして面白かったと感じた「Coffee Talk(コーヒートーク)」の魅力を解説していきます。
プレイ前に感じていたイメージ通りだった部分と、意外性があった部分がありましたが、総合的にはおもしろかったです!
いつでも喫茶店のマスター気分が味わえる

まずよかったのが、お店のマスター気分が味わえることです。
このゲームは、カウンター越しにお客さんの顔を見ながら会話をするので、カウンター側目線でずっとプレイできることが心地よかったです。
そして、このゲームに出てくる人はみんなこのお店が好きな常連さんがほとんど。
まるで毎日のルーティンワークかのように、ふらっと入店して注文する感じがたまりません。
ドリンクは、コーヒーだけではなく、紅茶、抹茶、ココアなどを基にしたアレンジドリンクを自分の好きな感覚で作ることができます。
一応、望み通りのドリンクを提供してあげた方が、物語が好転するような仕様になっていますが、別に完璧に望み通りのドリンクを提供しなくても、それなりに物語は普通に進んでいきます。
ノベル系のゲームは選択肢を選んで分岐することが多いですが、このゲームはその分岐がドリンク提供になっています。
ただ正解ルートなのか、そもそもどれだけ分岐があったのかなどは分からないまま進む感じは、非常に現実に近いリアル感があります。
そして、このゲーム全体を包んでいるリアル感が、より自分をマスター気分させてくれます。
個性豊かなキャラクターの日常がリアル


「Coffee Talk(コーヒートーク)」に出てくるキャラクターは、個性的な人ばかりです。
というのも、出てくる登場人物のほとんどが人間じゃないからです。
獣人とでもいうのでしょうか。エルフ、狼男、猫や宇宙人まで、何でもありの設定になっています。
一見ぶっ飛んだ設定のように思うんですが、これがそれぞれのキャラの話をしっかり聞いてあげると印象がガラッと変わります。
それぞれの種族ならではの悩み、異種間の分かり合えない価値観などが複雑に絡みあって、これらはほぼ「人間社会の悩みや苦悩」と置き換えてみることができ、共感させられる描写は多いです。

ゲーム画像を見ただけでは、非常にクセのあるゲームのような印象を持ちますが、脚本はまるでドラマのようにキャラクターの心情を深く掘り下げていく内容になっています。
一応、メインの緑色の髪の子が主軸となって話は進むのですが、その道中で好きになる魅力的なキャラはたくさん出てきます。
小説やドラマが好きな人には、きっと楽しめるゲームになっていると思います。
周回プレイ要素がある

先ほども言いましたが、このゲームはルート分岐があるので、周回要素が存在します。
というか、1週目クリア後にとても驚かされることがあります。
ネタバレなので触れませんが、一度クリアすることでこのゲームの印象や魅力は、また180度ガラッと変わります。
これはもう、ぜひ自分の手でクリアしてくださいとしか言えません。
そして一度クリアすると2週目が気になって仕方がなくなる、ということだけ申し上げておきましょう。
コーヒートークのちょっと惜しい点

それでは「Coffee Talk(コーヒートーク)」をプレイして、少し気になった点をまとめました。
まずは、コーヒー知識を得られる要素が少ない点です。
このような、ある業界にスポットを当てた作品は、詳しい知識も習得しながら遊べたりするものもありますが、このゲームに関してのコーヒー知識は浅めです。
もちろん、さまざまなアレンジドリンクの知識は得られますが、コーヒーとは関係のない紅茶やミルク系の飲み物も多いのも事実です。
そして、次にキャラクターデザインです。
獣人が出てくるという設定上、仕方のないことですが、人によってはデザインでとっつきにくく感じてしまうかもしれません。
ただ、ストーリー自体はしっかりとしたドラマ性のあるものなので、本当に見た目だけの話になります。
あとは、ゲーム仕様上のことですが、フルボイスならすごく快適なのになぁという欲が出てしまいました。
このゲーム、オート設定すればテキストも自動で流れるので、お客さんの話を聞いてるときはコントローラーを持つ必要がなく、本当にマスター気分になれます。
ここにさらにボイスがあればさらにその雰囲気を高めてくれると感じました。これは、このシリーズの今後に期待ですね。
最後にラテアート。
ラテアートの出来の良し悪しは、ゲーム進行に大きな影響はないのですが、好きなラテアートを書く操作があまりにも難しすぎて、すぐにやらなくなっちゃうのはもったいないなと思いました。
ここはもっと単純な仕様で、だれでも好きにデザインできるくらいの寛容さが欲しかったところです。
「Coffee Talk Tokyo(コーヒートークトーキョー)」が発売される!

「Coffee Talk(コーヒートーク)」は、2023年に続編の「Coffee Talk Episode 2:Hibiscus & Butterfly」が発売され、現在シリーズ2作品ですが、2025年に3作目にあたる「Coffee Talk Tokyo(コーヒートークトーキョー)」の発売が予定されています。
全作2作まではシアトルが舞台だったのに、まさかの東京ということで、日本が舞台になっています。
インドネシアのゲーム開発会社が、なぜ日本を取り上げた経緯など気になるところです。
Steam版は、すでに体験版のプレイも可能になっております。
開発者が亡くなられたあとも「Coffee Talk」は続いていく

実は悲しいことに、「Coffee Talk(コーヒートーク)」のゲームデザインと脚本を手掛けたMohammad Fahmiさんは、2022年に病気で亡くなられています。
開発会社においても、家族に向けて売上を全額寄付をするセールを行ったりと、Mohammad Fahmiさんを追悼する企画を行っており、開発陣、家族の中で深い悲しみがあったことをお察しします。
In Memoriam of Mohammad Fahmi Hasni (1990 - 2022)
— Coffee Talk Tokyo ☕🎆 COMING SOON (@coffeetalk_game) March 31, 2022
We are fundraising for Fahmi's Family through Coffee Talk. The game will be discounted for 32% from March 31st to April 4th. All proceeds from this period will be given to Fahmi’s family.https://t.co/CKll9CDyvD
ただ、Mohammad Fahmiさんが亡くなった後も「Coffee Talk(コーヒートーク)」は人気を博し、2023年には続編の「Coffee Talk Episode 2:Hibiscus & Butterfly」を発表、そして2025年には日本を舞台にした「Coffee Talk Tokyo」の発売が予定されています。
新作発表で話題沸騰のこの時期に、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。